株式会社モビーディック 代表取締役社長 保田守ブログ

(株)モビーディック代表として、企業理念や物づくりに対する情熱など、ブログ形式でお届けします。

Vol.6「石巻専修大学との取り組みver.1」

2017年6月21日でのインタビュー手記

株式会社モビーディック「小さなトップメーカー」として、只今、杉田先生からご紹介をいただきました株式会社モビーディックの保田でございます。今日は、この石巻の地を拠点とし、小さいながらも世界に向け発信している企業があることを知っていただきたくやってまいりました。

 

400年前に支倉常長をはじめとする遣欧使節団がサンファンバウティスタ号で欧州に向けて出帆したのはここ石巻です。また私達が子供の頃は石巻から数多くの漁船が世界中の漁場を目指して遠洋漁業が大変な賑わいでした。昔は交通手段としては陸路より海路が中心でしたから、そのようにここ石巻は船で海外を目指す人が沢山いた土地柄と言えるのだと思います。

現在私どもの会社は此処から車で5分ほどのところにありまして、ウエットスーツというニッチ業界ではありますが、国内最大手というポジションにあります。また狭い業界なので国内だけでは限界があるので、海外へもアメリカ、ヨーロッパやアジアなどに自社ブランドで、かつ高品質を売り物に販売をしております。

会社の創業は1963年ですから来年で55周年を迎えます。

当初は創業者である、私の父親が東北地方では、初めてのダイビングショップとして開業しました。当時はスキューバダイビングが開発されて間もない頃であり、また「獲る漁業から育てる漁業へ」と言う時期であり、漁業者にとっても潜水技術の習得が必要とされました。そして石巻牡鹿半島三陸海岸を擁して当時から遠洋漁業だけではなく日本有数の沿岸漁業の基地であり、また捕鯨の基地でもありましたから他の地域に比べても潜水の需要があったわけです。ウエットスーツは一般的にマリンスポーツウエアとして知られていますので、時々何故石巻ウエットスーツなのか?という質問をされることがあります。つまり何故マリンスポーツが盛んな湘南や沖縄ではないのかと言うことなのですが、当地は、今申し上げたように漁業がとても盛んであるので潜水の必要性が高いと言うこと、加えて全国的にも海水温が低いところであるために、保温性よりの高いウエットスーツのニーズがあるからなのです。水温の高いところならウエットスーツは無くても良いかもしれませんが、水温が低いことで、より保温性の高い、つまりより良いウエットスーツが求められると言うことは、当社にとっては石巻で仕事をする上でメリットがありました。なので当社の最初の顧客は、地元の漁師さんたち向けのウエットスーツから作り始めました。それがきっかけです。

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