株式会社モビーディック 代表取締役社長 保田守ブログ

(株)モビーディック代表として、企業理念や物づくりに対する情熱など、ブログ形式でお届けします。

Vol.3 「ドライスーツのパイオニア的存在」

オニール社は当時、サンフランシスコに大きな工場を持ちウエットスーツを作っていました。その後メキシコに工場を移し、さらに今ではSHEICOなど東南アジアで生産を委託しています。ちなみに2008年の、まさにリーマンショック直前にオランダの富豪がオニール・ブランドを高額で買収したのです。その金額は当時の相場で560億円!そして、その年はウエットスーツ業界がもっとも良かった時期でした。ですから、このオーナーは最高値でオニール・ブランドを買ったので今では貧乏しているのではないかと勝手に心配したのですが、今でもオランダの最も金持ちの一人なのだそうです。

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オニールはSHEICOに生産委託する前に、一時韓国のボドラックという会社に生産委託をしていた時期があります。ここには当社も少し生産委託をしており、会社の主要メンバーとは親しくしていました。しかし、オニールが離れ、会社が回らなくなり倒産してしまいました。その時、営業の担当をしていた役員が、その会社を引き取り再建しました。その人は朴さんと言い、1996年に当社とライセンス契約を締結しMOBBY’S KOREA(現 HYPER)となり韓国でMOBBY’Sブランドの製品を製造販売しています。

 

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1989年のドイツでの展示会の後、次々にスウェーデン、イタリア、ドイツの会社が代理店となりMOBBY’Sのダイビングドライスーツを販売し始めてくれました。ドライスーツの発祥は,水温が低く海底油田開発が活発だった北欧であり、プロダイバードライスーツメーカーのViking, Poseidonが有名でした。また英国にもTYHOONなどいくつかのメーカーが先行していました。しかし、その頃に欧州には高品質でデザイン性の高いレジャーダイビング用のドライスーツはあまり無かったので、MOBBY’Sはその分野のパイオニア的な存在となり、MOBBY’Sのブランドは欧州業界にしっかり浸透したのでした。その原動力となったのは独自のツインシェル構造(国際特許)とそれが可能にしたカラフルなデザインをドライスーツに取り入れたことでした。スウェーデンの代理店は何度も石巻に来て交流を深め、ドライスーツに関する知識も色々と教えましたが相手に資金の問題があって2000年に契約を解消しました。その後に彼らが共同出資者を招いて再建したのがWater Proof社で今では欧州で指折りのウエット、ドライメーカーです。イタリアでは(以後つづく)

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