株式会社モビーディック 代表取締役社長 保田守ブログ

(株)モビーディック代表として、企業理念や物づくりに対する情熱など、ブログ形式でお届けします。

東日本大震災No.7

そして、たくさんの社員の生活を預かる身としてはいつまでも嘆いている場合ではありませんでした。電気、水道、電話などのインフラが復旧にともなって会社での避難所生活は3週間ほどでやめ、それぞれが公的な避難所や仮説住宅などに移り住み、4月1日にはいち…

東日本大震災No.6

会社が被災しただけではなく海岸線の破壊や原発損壊による放射能汚染が広がる中で国内のウエットスーツ需要は激減することが予想され事業の存続を真剣に考えざるを得ない危機的状況にありましたが、暖かいご支援により沢山のご注文を頂戴しその量はむしろ前…

東日本大震災No.5

ここの損害だけで数億円に及びしかも損害保険は地震特約に入っていなかったため一時は呆然とするしかありませんでした。さらに私自身の住まいも全壊してしまいました。水没だけならまだ良かったのですが、近所から流されてきた家屋がたくさん我が家に衝突し…

東日本大震災No.4

石巻市内の中心部はほぼ全域が津波のために水没しましたが、本社は海岸から7-8km内陸側にあったため辛うじて水没は免れました。私の自宅は北上川の河口付近にあり近づくことすら出来なかったので、同じように家に帰れない社員達と工場にその晩は泊まることに…

東日本大震災 No.3

高層ビルが余震で大きく揺れていて倒れてくるのではないか、また通行止めになっている首都高が崩れて押しつぶされるのではないかなどと恐怖と戦いながらノロノロ運転で4時間ほどかかって都内を抜け東北に向かいました。その後も道路の損壊がひどいため道なき…

東日本大震災 No.2

地震発生時、私は当時「日本スクーバ協会」の会長職にあり会議のために東京の墨田区にいました。激しい揺れでこれは関東大震災の再来かと思ったほどです。ところがテレビで震源地は何と宮城県沖と言うではありませんか。家族や社員のことを思うと直ぐに帰ら…

東日本大震災 No.1

長年の海外での取り組みによりお陰様でMOBBY’Sのブランドは海外でも業界内では少しは知られた存在になったと思います。“日本品質”の期待を背負って今後も頑張りたいと思っています。 “東日本大震災”と言えば当社にとっても非常に大きな出来事でした。 2011年…

ジェットスキー用スーツなど

ジェットスキー用のレーシングウエアとしてのウエットスーツ、ドライスーツその他の用品を開発してそれらの商品を当時の世界トップクラスのプロライダー達に着用してもらう事でMOBBY’Sブランドの知名度を広げつつ、その後ダイビングの市場へ参入していきまし…

イタリアでの続き。

イタリアでは、アメリカのダイビング業界の展示会(DEMA)に出展した際に当社製品を気に入ってくれた若い夫婦が代理店となり1990年からMOBBY’Sをイタリアで広めてくれました。彼はその後当社が現地に設立したモビーズ・ヨーロッパ社のセールスマネージャーと…

Vol.14「石巻専修大学との取り組みver.9」

私は先週大阪に出張しましたが、繁華街では中国語や韓国語がとても多く日本ではないのではないかと錯覚するほどでした。それから、ロシアですが、私はこれまで4,5回ロシアに行きましたが、これも日本では北方諸島の問題がありますから、日本に対しては友好的…

Vol.13「石巻専修大学との取り組みver.8」

さて、今後の当社の進むべき方向についてですが、まずマーケットとしては、アメリカ及びヨーロッパは、日本と同様にマリンスポーツ市場が成熟化しており、今後大きく伸びることはあまり考えられません、一方でアジア各国では経済成長が続いており、マリンス…

Vol.12「石巻専修大学との取り組みver.7」

「MOBBY’Sの体感価値」 これは篠宮龍三というフリーダイバーの方で足ヒレだけをつけて水深115mまで潜りアジア記録を作った方ですが、その時に当社のウエットスーツを着用なさって当社製ウエットスーツの機能性を証明してくれたと思っています。 「独創知財」…

Vol.11「石巻専修大学との取り組みver.6」

次に皮膚についてですが、ウエットスーツと言うものは、基本的に身体にぴったりフィットしたものですから、謂わば皮膚のようなものです。ですから我々の究極の目標は第二の皮膚を作ることと言えます。これは実際に解剖によって人体から剥いだ皮膚です。皮膚…

Vol.10「石巻専修大学との取り組みver.5」

それでは、どこに、どれだけのゆとりを配分したらよいでしょうか?人間の体がいつも同じ姿勢をしていたなら割と簡単です。例えば直立姿勢を原型とするならば、直立した人に布なり材料を当てて、貼り付ければその姿勢にあったゆとりのないスーツが出来ます、…

Vol.9「石巻専修大学との取り組みver.4」

競合メーカーは100社ほどありますが、現在当社の国内販売シェアは20%以上です。 一つ目の製造技術について、もう少し詳しくご説明したいと思います。ウエットスーツに求められる要件は、まず保温性、保護、運動性そしてデザイン性などがあります。 俗に、ウ…

Vol.8「石巻専修大学との取り組みver.3」

ちなみに当社の経営理念は、「私達は新しい生活文化の創造を通して社会に貢献します」というものです。そしてスローガンは「品質は私たちの誇りです」と言うものです。 新しいモノを作る喜び、創造の喜びを基本にして、そこで働く社員が、生きがいを感じられ…

Vol.7「石巻専修大学との取り組みver.2」

個人的な話になりますが、創業時私は中学生でありましたが、その後皆さんと同じ大学生の時に、その後の進路を決めたと言っても良いような経験をしました。それは、マッコウ鯨と一緒に潜ったことでした。これがその時の写真であります。英国人の鯨の研究者に…

Vol.6「石巻専修大学との取り組みver.1」

2017年6月21日でのインタビュー手記 株式会社モビーディック「小さなトップメーカー」として、只今、杉田先生からご紹介をいただきました株式会社モビーディックの保田でございます。今日は、この石巻の地を拠点とし、小さいながらも世界に向け発信している…

Vol.5「経営基本方針」

経営基本方針 ① 社員 創造的な、高品質な製品やサービスを通して、お客様に満足していただけることで、社員がやりがい・働き甲斐、誇りを感じられる会社にする。社員とその家族の幸福を第一に考え物心両面にわたって働きがいのある会社作りを目指します。す…

Vol.4「我が社の経営理念」

経営理念 「私たちは新しい生活文化の創造を通して社会に貢献します」 スローガン 「品質は私たちの誇りです」 イメージコピー 「BIO SPHERE」(バイオスフィア・自然環境保護に貢献します) 私たちはこの世に生を受けたからには「楽しく」生きたいものです…

Vol.3 「ドライスーツのパイオニア的存在」

オニール社は当時、サンフランシスコに大きな工場を持ちウエットスーツを作っていました。その後メキシコに工場を移し、さらに今ではSHEICOなど東南アジアで生産を委託しています。ちなみに2008年の、まさにリーマンショック直前にオランダの富豪がオニール…

vol.2 「国内ウエットスーツ企業最大のMobbys」

現在わが社は国内のウエットスーツ業界では最大の企業です。とは言え元々が小さな業界ですから大したことはなく、いまだに中小企業の域を出ません。ここで世界の業界の代表的なメンバーについてご紹介したいと思います。つい先週、招かれて台湾のSHEICO社(h…

vol.1「保田守ペンを取る」

今に始まったことではないのですが、世の中の少子高齢化による若年世代の人口減によりマリンスポーツへ参加する人口が減ると共に、デジタル化により消費動向も大きく変わってきて、我社を取り巻く環境はこの10年以上前から厳しさが増してきました。特に2011…